脳をリフレッシュさせる「プチ瞑想」のマインドフルネスで心の健康を維持しましょう
マインドフルネスは「うつ病予防」のストレスケアにも効果的です
目次
マインドフルネスが求められるストレス禍社会
日々、ストレスフルな出来事が発生するストレス禍社会に生活する私たちにとって、ストレスで生じるネガティブな不安、恐怖、怒りなどの感情を日々解消し、安らぎの気持ちを維持することが重要です。そのためには、心を落ち着けることができるマインドフルネスの概念に基づくテクニックや技法を習慣化することが大切です。このマインドフルネスは「うつ病予防」のストレスケアにも効果的です。
最近の長谷川メンタルヘルスケアセンターにおけるご相談において、連日報道される悲惨な事件報道、地震被害や洪水被害などの災害報道、さらには世界各地での紛争報道によって、大きなストレスを受けてしまうというご相談があります。それは、連日報道される理不尽な災害や悲しい事件がいたる所で頻発している状況は、誰でもが、事件に巻き込まれる危険性がある社会に変化したといえます。その結果、社会的な不安感が増している時代に、私たちは生活しています。
マインドフルネスに到達するための技法は「うつ病予防」や寛解期の各種精神疾患の治療にも有用性があります。その中でも簡単な方法として、場所や時間を選ばすに、電車での移動中、お風呂での入浴中、さらには就寝前にベットの中で、誰でもがいつでも簡単に実践できる腹式呼吸による「プチ瞑想」やリラクゼーション効果のあるYouTubeの映像・音楽などを視聴することも効果的です。
参考情報:長谷川メンタルへスルケアセンターの紹介
マインドフルネスは東洋的な瞑想などで脳をリラックスさせること
マインドフルネスの概念は、1970年代からアメリカの臨床心理学と精神医学で東洋の瞑想効果に着目し、うつ病など精神疾患の治療や予防を目的として、様々な技法が開発されてきました。
マインドフルネスには多くの定義といえるものがありますが、Wikipediaによると、『マインドフルネス(英: mindfulness)とは、現在において起こっている経験に注意を向ける心理的な過程である。 瞑想、およびその他の訓練を通じて発達させることができるとされる。』とあります。またその語義としては『今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに捕らわれのない状態で、ただ観ること。』といった説明がなされることもありますが、とりわけ新しい考え方ではなく、『東洋では瞑想の形態での実践が3000年あり、仏教的な瞑想に由来する。』とあります。
日本の森田療法や自立訓練法に通じるマインドフルネス
マインドフルネスの概念は、ヘルスケア技法の一つといえますが、自立訓練法や、臨床催眠によるリラクゼーション効果や、日本では森田療法による精神疾患の治療効果などにも通じる概念といえます。
そのマインドフルネスが求めるものは、3000年も前から伝わる奥深い本格的な瞑想ではなく、脳を休息させて、心身をリラックスさせることです。
インドにおけるヨガ修行や仏教による瞑想修行は、呼吸や身体感覚に意識をあてることで、今現在の自分自身の「ありのままの状態」を感じ、悟りの境地を得ることを目指す精神的・心身的な修練や鍛錬といえます。そのような本格的な座禅やヨーガによる瞑想を身につけるには、仏教寺院やヨーガ教室などで、その実践方法のレクチャーを受けて、ある種の継続的なトレーニングが必要です。
しかし、マインドフルネスは、容易に心の平静を取り戻し、心をリラックスさせることで、ストレスを軽減させるための簡易的なメンタルケアとして、うつ病ケアなど精神疾患の治療や予防のために、アメリカを中心とした欧米で、各種の技法が開発されてきましたが、日本においては森田療法による精神疾患の治療方法に通じるものがあります。
脳波のアルファ波を導く呼吸・歩行・咀嚼がマインドフルネスに到達する
人は、職場の仕事や家庭生活で、さらには人間関係で、日々の悩みごとに遭遇し、その悩みが解決されることなく蓄積することで、その悩みごとを考え続け、それに囚われれることで、過剰ストレスとなります。その悩みをいつも考えることで、悩みごとを中心に思考がループしてしまい、さらにストレスが大きくなり、脳機能が低下してしまい、解決への良いアイデアや発想ができなくなります。
そのような、悩みごとに対して、考え過ぎない状態にし、良いアイデアを引き出すために、脳を休息させるために、気持ちをフレッシュさせることが必要です。そのために、メンタルケアとしてのマインドフルネスが注目されてきました。
そのマインドフルネスの状態に至るためのリラックス方法は、海外および国内で開発され臨床現場で適用されている多くのメソッドが開発されています。それらに共通して言えることは脳がリラックス状態にあることを示す脳波のひとつであるアルファ波(α波)が出現することが、脳科学の研究で解明されています。アルファ波は、リラックスした状態、安静時、集中している時にも出現します。
そのアルファー波を意識して出現させることが可能な方法として、瞑想時の「呼吸」、楽しい気分で散歩するときなどの「徒歩」、おいしい料理を味わう時の「咀嚼」、好きな「趣味」に熱中している時などがあるとし、それらの場合には、意識して能動的にアルファー波を出現させることができると、科学的に報告されています。
参考書籍情報:「仏教と脳科学」うつ病治療・セロトニンから呼吸法・座禅・瞑想・解脱まで:著者 アルボムッレ・スマナサーラ、有田英穂 共著
マインドフルネスを目指すお薦めのリラックス・メソッド「プチ瞑想」
能動的に意識して脳をリラックスさせる技法として、特別なレーニングをすることなく簡単にアルファ波を出現させる方法があります。それは、脳をラックスさせ、怒り感情や不安感情を排除できる時間を能動的に獲得することが可能な方法として、お薦めする簡易方法は、単に腹式呼吸による丹田呼吸法による快適な「プチ瞑想」です。
その他に、自立訓練法と同様のボディスキャン瞑想、お散歩によって心をリラックスさせる歩く瞑想(ウォーキング・メディテーション)などがあります。また、不快な情報から離れるためのリラックス法として、美しい景色を眺められる場所や美しい花々が咲き乱れる公園を散歩することも、プチ瞑想と同様に効果を得ることができます。
参考引用情報:腹式呼吸の方法(YouTyube)
YouTyube映像と音楽でリラックスする方法
さらに簡単な方法として、美しい景色を眺められる場所に行かなくても、YouTubeなどで、美しい景色の映像を鑑賞したり、インターネットで美術館の作品を閲覧すること、NASAがインターネットで24時間LIVE放送している地球を周回している国際宇宙ステーションISSRからの地球を眺める映像や星空映像を、ただ眺めることで、全てを忘れて、リラックスすることができます。
また同様にインターネットで放送される、バチカン大聖堂などの教会で開催される、各種の年中行事や祈りのミサなどをライブ中継した放送なども、荘厳な音楽と祈りの言葉を聞き流すことだけでも、時間を忘れて、心を癒してくれるひと時を過ごすことができます。
それらは脳を休養させ、全てを忘れて、気持ちを落ち着けて、不安感や怒りの思考を解消するための新たなアイデアと発想を導き出すことが可能なように、心をリラックスさせることができます。ぜひお試しください。
参考情報:
マインドフルネスの「プチ瞑想」は熟睡と同様のリフレッシュ効果を期待できます
ストレスケアを目指すマインドフルネスの領域では、日常的な短時間の「プチ瞑想」、心のリラックスを取り戻すために、働き過ぎた脳を休息させてあげることができる「能動的レベル」で脳をリフレッシュする行為です。それは、日々の睡眠によっても同様の効果が得られますが、睡眠は「無意識レベル」で脳のリラックスを獲得するものです。
その睡眠は脳を休息させるために必須といえる無意識レベルでのリフレッシュ行為であるといえますが、それに対してマインドフルネスの各種のリフレッシュ行為は、意識して各種技法を実践してリラックスを得るための能動的な行為といえます。
マインドフルネスの注意点として「プチ瞑想」は重篤な精神疾患では忌避すべきです
睡眠自体は、健康な心身状態であれば、深い眠りにつくことができ、熟睡で快適な目覚めを得られます。しかし、現在進行形の問題に直面して状況で過度なストレス状態や、解決しない悩みが継続している状態では熟睡することは容易ではありあせん。同様に現在進行形の仕事上の大きな困難な問題に直面していて、長期のストレスに曝されている状態や、家族の悩みに長期に苦しんでいる状態で、初めてマインドフルネスのプチ瞑想をいきなり実践してみても、現在の悩みから思考を離れさせることは困難です。むしろ悩みとなっている状態を深堀りする思考状態となり、危険な状況を生み出す危険性があります。
また、ストレスが長期化している状態で抑うつ傾向が続き、心身症やうつ病を発症している場合などで、医師からうつ病、神経症、統合失調症などの精神疾患の診断が出ている場合は、症状が進行する恐れもあり、実施すべきではありません。あくまでも精神疾患に陥ることがないように日頃のストレス解消のための習慣化、あるいは発症した精神疾患の症状が、治療によって軽減された寛解期における心を安定させるための、寛解導入期の療法としての取組みの一つとしてのトライアルするものです。
特に、本格的な瞑想は、自分の呼吸状況に意識を集中させて、頭に浮かぶ邪念を振り払うという瞑想作業により、「何も考えない状態」という無になる時間を過ごすことです。
しかし、重篤なうつ病や統合失調症の精神状態では、意識して邪念を追い払うことは困難となるため、静かな瞑想の時間を過ごしていると、思考が次から次へと湧き上がる状況といえる、危険な「観念奔逸」の精神状態に至る危険性があります。
また、すでに悩みが長期化していて、抑うつ傾向が強い時には、むしろ苦悩から離れることができずに、悩みに意識が集中してしまいます。簡易的なプチ瞑想であっても、ネガティブな思考を能動的に取り払う作業には労力を要するため、ネガティブ思考に意識が集中してしまい、そこから離れることができない状態に至る危険性があります。
そのため、日頃から、脳をリフレッシュさせて、ポジティブな脳の活力を取り戻すことを毎日の習慣として、プチ瞑想を実践することが、メンタルヘルスケアには重要だといえます。仕事でちょっとストレスを感じた時や毎日の就寝前などに実施するプチ瞑想は大きなリラックス効果が期待できます。
マインドフルネスの「プチ瞑想」を習慣化することで日々のストレスを解消しましょう
それは、マインドフルネスのプチ瞑想は、習慣化して、普段から実践していることが重要です。毎日5分でも10分でも、短時間にその日のストレスを癒すために、フル稼働した脳を休養する時間を確保することを習慣化することで、そのエッセンスとなるテクニックを習得熟練し、毎日のストレスを解消することで、ストレスを日々蓄積することなく、日々解消することが可能となります。
習慣化したマインドフルネスのために、短時間のプチ瞑想や、毎日の散歩、リラックスできる趣味などで、自分のお気に入りの時間に集中することができると、たとえ現在進行形の問題があってもストレスを蓄積することなく、リフレッシュした脳によって、湧き出すアイデアが悩み事の問題を解決させることが可能となります。毎日のストレスを日々解消する習慣によって健康な状態が維持できることで、毎日の十分な睡眠に結びつき、その睡眠がさらに脳をリフレッシュさせてくれます。
気軽に行えるプチ瞑想は、今現在の呼吸感覚や身体感覚に意識をフォーカスすることで、あれやこれやと悩みごとを中心に思考を巡らせている状態から、一時的でも離れることができ、問題解決の新たな発想を導き出してくれます。
今ここに、意識をフォーカスし、脳活動を休息させ、心に安らぎをもたらすことを目指すことが、マインドフルネスそのものといえます。日々のストレスを感じた時や、お休み前に、ちょっとくつろぐ時間に、心静かにすることで、安らぎの時間を習慣化することをお勧めします。
執筆者紹介
長谷川メンタルヘルスケアセンター