「美しい姿勢」・「正しい呼吸」・「明瞭な発話」による体質改善が不安症・恐怖症・抑うつ症などに効果的です
姿勢矯正、腹式呼吸、腹式発話の習慣が、脳内セロトニンを増やし不安や緊張を打ち消し 健康な身体を獲得できます
不安症・恐怖症・抑うつ症、自律神経失調症の傾向にある人には、前かがみの猫背や巻き肩を矯正する美しい「姿勢」、丹田を意識した腹式呼吸による深い「呼吸」、自分の声を聞く音読によるクリアーな「発話」の習慣で、呼吸が楽になり、脳内セロトニン量を増やすことで、自律神経を整えることができ、不安と緊張を克服することができます。自立神経を整える「美しい姿勢」・「正しい呼吸」・「明瞭な発話」による体質改善が不安症・恐怖症・抑うつ症などの精神疾患に効果的です。これは身体機能を回復させるリラクゼーション・ケアです。
目次
【目次セクション】
2)健康的な身体づくりの体質改善で、精神疾患の症状が大きく改善されます
3)脳内セロトニン不足は「傷つきやすい」、「腹が立ちやすい」、「不安感が大きい」、「自分を責める」、「心が落ち込む」などの心身不調になりやすい
4)心身不調は、ストレスで姿勢が悪化し、浅い呼吸で脳内酸素が不足し、セロトニン量が低下し、脳の司令塔である前頭葉が機能不足となることが原因です
5)心身不調ケアは、身体機能を回復する「リラクゼーション」と精神療法による「メンタルケア」の連携が必要です
6)「向精神薬」などの服用には、常に副作用に注意することが必要です
7)「うつむき姿勢」と「浅い呼吸」の改善が健康回復への第一歩です
8)すべての不安と緊張を解消する「姿勢」「呼吸」「発声」の3つの習慣づけ方法
1.美しい姿勢の習慣づけ
2.正しい呼吸の習慣づけ
3.明瞭な発話の習慣づけ
自律神経を整える体質改善の重要性
長谷川メンタルヘルスケアセンターの心理カウンセリングでは、不安や緊張、怒りの背景にある深層心理の分析による精神分析的療法や認知修正療法、トラウマケアを実施していますが、それらのケアの前段階として、そのクライアントの姿勢の状態、呼吸の深さ、発話の状態など、身体状況を観察することを初回インテーク面接では重視しています。
それは、日常の悩みごとを乗り越えるために必要なバイタルレベルを維持するための身体機能の状態を把握するために必要な観察です。もしも、バイタルレベルを維持するための身体機能が著しく低下している場合には、それを回復するために、姿勢、呼吸、発話の3つの領域を改善するリラクゼーション・ケアのステップを、まずは優先します。
その結果、リラクゼーション・ケアによって基礎的な身体機能が高められることで、バイタルレベルが向上し、ストレス耐性が強化されることに結びつきます。それによって、その後のケア・ステップとなる認知修正療法やトラウマケアなどの心理療法の効果を、より確実にすることができます。
長谷川メンタルヘルスケアセンターでは、クライアントの方々が、日々のストレス場面で、不安、緊張や怒りの感情を抑え込むことなく、うまく受容しながら、適切にコントロールし、悩みや問題解決の新たなスキルを獲得していただくことで、一日も早く安心安全な生活を取り戻せるように、心理カウンセリングを通してお役立ちすることを目指しています。
参考情報:長谷川メンタルヘルスケアセンターのカウンセリング領域紹介
参考出版情報:代表 長谷川 裕通の著書紹介
健康的な身体づくりの体質改善で、精神疾患の症状が大きく改善されます
自立神経を整える「美しい姿勢」・「正しい呼吸」・「明瞭な発話」による体質改善が不安症・恐怖症・抑うつ症、自律神経失調症などの精神疾患に効果的です。
日常的なストレス反応として、対人コミュニケーションで傷つきやすく強いストレスを受けてしまう対人恐怖症の傾向がある人、過去・現在・未来の全てのことに対してネガティブ面に焦点をあてて考え過ぎてしまい常に不安がつきまとう不安神経症の傾向がある人などは日常生活で、常に緊張した生活を余儀なくされています。さらには、ネガティブな考えがつぎつぎと浮んで眠つけない状態や途中覚醒や早朝覚醒で熟睡することが難しい睡眠障害の傾向にある場合には、ゆっくりと心身を休息することができません。
また些細なことに強い怒りがでる易怒的で衝動抑制ができない間欠爆発症の傾向にある人、日常的ストレスが蓄積されて常に心がモヤモヤした状態の抑うつ症群などの精神疾患の傾向にある方々は、健康的な身体づくりによる体質改善を図ることをお勧めします。それによって、症状が大きく改善されるケースが多くあります。
脳内セロトニン不足は「傷つきやすい」、「腹が立ちやすい」、「不安感が大きい」、「自分を責める」、「心が落ち込む」などの心身不調になりやすい
仕事ストレスや対人関係などのストレスで、些細な事で「傷つく」、「腹が立つ」、「不安になる」、「自分を責める」、「心が落ち込む」などの心身不調の原因として姿勢が悪いことで、浅い呼吸になり、いつも体内酸素が不足して、脳内のセロトニン不足による前頭葉の機能低下が起きている恐れがあります。
それは、日常生活で悩む出来事や問題が生じると、人間の本能として危害から自分を守るために、急所といえる心臓を中心に胸を抱え込むような姿勢となります。それは人間が生き延びるために原始の時代から身に付けてきた、身体を守るための姿勢です。その結果、ストレス場面に遭遇すると、無意識で前かがみの防御態勢といえる前傾姿勢となります。それと同時にストレスや危険に対抗し、その場から瞬時に逃れるための動作を可能とするために交感神経を優位にし、心臓の血流量を増やすために、連続的な浅い呼吸となります。それは、人間が生き抜くためにDNAに焼き付けてきた、危険から身を守るための、自己防衛の本基本的な身体機能です。
しかし、そのストレス源が解決せずに長期化したり、日々のストレスを解消することができずに蓄積されたり、日常的に新たな問題が連続的に発生したりすると、常にストレスフルな生活を余儀なくされることになります。それは、常に緊張状態の交感神経が優位な状態が続き、姿勢が前かがみの状態で、呼吸が浅い状態が続きます。その状態は、リラックスできない緊張状態が継続している状態で、ストレス場面から離れている状態であっても、自立神経を整えてくれる副交感神経を優位にすることができないストレスの緊張が続いている状態にあるといえます。
心身不調は、ストレスで姿勢が悪化し、浅い呼吸で脳内酸素が不足し、セロトニン量が低下し、脳の司令塔である前頭葉が機能不足となることが原因です
この前傾姿勢が、全ての心身不調の原点となります。それは、姿勢が悪いことで肺が常に圧迫されていると、通常呼吸が浅くなります。それにより体内に取り込む酸素量が少なくなり、血中溶存酸素量が低下することで、脳に十分な酸素が届かない状態になっている恐れがあります。脳で消費する酸素量は全身の消費量の25%にも及び、通常の生活においても多くの酸素が必要ですし、多くのストレス問題を解決するための深い思考には、さらに多くの酸素が必要となります。
特にストレスコーピングに必要な、自分を楽にさせる考え方や対処方法を思いつくなど、フルに頭を回転させ能力を発揮するのは脳の前頭葉部分です。その前頭葉で消費する酸素量は脳全体の50%も消費するとされています。姿勢が悪いことで酸素不足が生じていると、脳機能がフル稼働できていない状態に陥っている恐れがあります。脳の機能を十分に発揮させるためには十分な酸素が必要です。しかし、脳における酸素が不足することで脳内神経伝達物質のセロトニン量が極端に不足することになりますす。その結果、セロトニンが不足すると、思考力の低下とあわせて、不安感や緊張感を鎮めるためのリラックス感覚を獲得できず、人類が獲得した高次脳機能を発揮すべき前頭葉が機能不全となります。
具体的には、自分を維持するために感情を無視することなく、適度に感情抑制できる感情の処理能力、対人コミュニケーションに重要な他者を思いやる優しさ、他者の置かれた苦しい状況を察する共感性などが低下します。さらには、その人の人間性を維持するための思考能力、そしてストレス源となった悩みの問題を乗り越えるために必要な、問題解決能力や課題遂行能力など、前頭葉がもつ本来の機能が不活性の状態となります。
その結果、不安、緊張、怒り、などのネガティブな感情を抑制できない状態で、他者への思いやりがない攻撃的な言動をまねいたり、そもそもの悩みの根源となった出来事を冷静に受け止め、その状況を客観的に分析し、相手によっても自分によってもWin-Winの都合のよい解決策でアサーティブな対処方法を抽出できない状態となります。
参考文献:・セロトニン欠乏脳〈キレる脳・うつの脳を鍛え直す〉著者:有田秀穂 出版:日本放送出版協会
心身不調ケアは、身体機能を回復する「リラクゼーション」と精神療法による「メンタルケア」の連携が必要です
長谷川メンタルヘルスケアセンターでは、前かがみの前傾姿勢が原因の浅い呼吸によって、セロトニン量不足で脳機能が低下することに着目し、心理カウンセリングによる、①正しい姿勢と深呼吸による身体機能を回復させるリラクゼーションケア、および②精神療法による認知行動療法や精神分析的療法によるメンタルケア、という二つのケア領域が必要だと考えています。そして、身体機能を回復させるリラクゼーションケアを最優先で、まずはご提供することの重要性を認識しています。
セロトニン量を増やすには、投薬治療という方法もありますが、服用する向精神薬等による副作用は必ず生じるため、精神疾患の初期段階における投薬治療は、欧米諸国では制限されています。その副作用は、脳内神経伝達物質のバランスを変化させる薬効によるものです。本来の脳機能バランスが変化するような副作用が生じる場合もあります。そのため、不眠や抑うつ症などのなどの初期精神疾患にたいする治療は、薬に頼らない精神療法が安全な処方といえます。
参考情報:リラクゼーションの実践ガイダンス(厚生労働省:こころの耳)
投薬治療は身体的な不安感や緊張感を軽減する対症療法であり、悩みごとの根本解決は心理カウンセリングが必要です
悩み事の根本解決には、心理カウンセリングが必要です。それは、投薬治療の目的は身体的な不安や緊張感を軽減する対症療法だからです。その理由として、投薬治療は、悩み事の問題発生によって引き起こされた不安などの感情レベルを引き下げてくれます。しかし、その不安や緊張の感情が誘発された悩みごと自体を解決することはできません。その根本解決は、発生した問題となった出来事自体が解決するか、その問題への認知(受けとめ方)を変化させない限り、不安や緊張感は消失しません。そのため、投薬治療では根本問題の解決を図ることはできません。そのことから投薬治療は身体的症状を緩和する対症療法だといえます。
そのため、精神疾患の根本的な症状改善には心理カウンセリングの精神療法で心身不調の根源となった悩み事の問題原因を解決するか、その問題への受け止め方を認知修正するなど、心理療法によるメンタルケアが必須ですしかし、多くの診療内科では、治療時間の制約から、投薬中心療法となっており、投薬が優先されているのが現状となっています。とはいえ、長期化したり重症化したりした精神疾患の症状を軽減するためには、副作用リスクがあるとはいえ症状緩和を目的とした、投薬治療は有効な処方です。その場合には投薬治療と併行した心理カウンセリングによる心理療法が必要となります。
「向精神薬」などの服用には、常に副作用に注意することが必要です
長期的な精神疾患の治療においては、「睡眠薬」、「向精神薬」、「精神病薬」などの投薬治療は適切で有効な手段といえます。しかしそれぞれが持つ副作用の危険性については十分に注意しながら服用する必要があります。軽い初期症状においては、副作用のあるお薬を服用せずに心理カウンセリングなど精神療法が安全といえます。欧米を中心に精神医療先進国では、初期症状では投薬治療を第一処方とすることを避け、初期段階においては精神療法中心へとシフトしています。しかし、これまで日本においては初期の睡眠障害や抑うつ症群の精神疾患に対して、初期状態の症状段階から複数のお薬を投与される多剤投与を第一処方とし、さらに多剤を長期的投与する治療が一般的でしたが、徐々に初期症状では精神療法を第一処方とする方向性に変化しています。
その背景にある副作用は、脳内神経伝達物質のバランスを変化させる薬効によるものです。例えば、抗不安薬は不安を抑えるための効果とあわせて、人によっては感情自体を感じなくなるような感情鈍麻の傾向が高まる副作用や、日常生活に影響するほどに注意力が散漫になったり、ストレス自体に無感覚になること、人によっては、本来の正常な感情自体が消失するなどの副作用が出る場合もあります。
その現状にたいして、医療保険の診療報酬点数の制限によって、「特別な理由が無い限り長期投与は認められない」となってはいますが、現実の医療現場では、「特別な理由による適切処方」であるとされる場合が多く、多剤での長期投与が継続されています。また、世界中の製薬会社から多くの新薬が発売され、数年経過した後に、危険な副作用が指摘され、その処方は控えるべきだと指摘されることもあります。それは承認前の臨床治験では明らかにならない副作用が、発売後に明らかになるケース等によるものです。
そのような向精神薬、精神病薬、睡眠薬など処方によっては、副作用の危険性が生じることもあり、最近は多くの精神科医の方々が、YouTubeなどで情報発信されており、複数のお薬を一度に処方する多剤投与の危険性、さらにその多剤を長期投与するによる副作用の危険性が指摘されています。
しかし、長期的な精神疾患の症状を軽減するためには、副作用リスクがあるとはいえ、その身体症状にフォーカスをあてた対症療法は有効で必須な処方といえます。そのため、精神疾患の症状緩和には、対症療法としての投薬治療とあわせて、根本的な原因除去のケアとして、心理カウンセリングによる①正しい姿勢と深呼吸による身体機能を回復させるリラクゼーション、②精神療法による認知行動療法や精神分析的療法によるメンタルケアについても車の両輪のように、共に必須な療法といえます。
「うつむき姿勢」と「浅い呼吸」の改善が健康回復への第一歩です
脳の前頭葉の高次機能がフル活動しない状態では、日々の仕事場面や対人コミュニケーション場面で大きな不安や緊張によるストレスに遭遇した時、それにうまく対処できずに失敗してしまうと、その一度の失敗を体験たことで、上司や同僚からは自分はダメな人間だと人事評価されたと受けとめること(認知すること)があります。そのような考えに至ってしまうと、ネガティブな評価で自分の将来の可能性が無くなってしまった、と考えてしまい、自分はダメな人間だと自分を責めるネガティブ思考が固着してしまうことがあります。その影響が大きい場合には、対人恐怖症や外出恐怖症に至り、社会的な引きこもりの状態となることもあります。
しかし、脳機能がフル稼働する健康な状態であれば、例えば、感染症に一度かかると免疫ができるように、失敗経験から対処方法を学ぶことができたという認知修正や、誰にも失敗はあるし、繰り返しの失敗経験で対処方法が身につき、世渡りじょうずな社会スキルを獲得できる、その失敗は社会勉強になったのだ、等というように自分を楽にしてくれる前向きにとらえる認知修正が自動的に実践できます。
前頭葉の高次機能をフル稼働できない状態では、ネガティブ思考に包み込まれ、悩みのジャングルという迷路に迷い込み、抜け出せない状態になる場合もあります。その状態では、ストレスを受けてしまった出来事の場面の映像を、頭の中で何百回も思い出してしまい、その堂々巡りによって再現し頭にネガティブ場面として記憶に焼き付けられてしまいます。その結果、その思い出したくない苦しい出来事から離れることができずに、自分自身を責めることに意識が集中し、ネガティブな思考が固定化し、自分自身を自分で常に苦しめる状態から抜け出すことができなくなります。
ネガティブな方向に考えが堂々巡りを繰り返し、そこから抜け出せない状態となります。
本来の健康な状態であれば対処できる程度の小さなストレスであっても、つらい出来事が重なるようにストレスが蓄積された状態では、さらに前傾姿勢となり酸素不足によって、脳がフル稼働しない状態に至る事になります。本来であれば、自分がストレスを受けない対処方法を自動的に導き出したり、悪い状況にありながらも良い部分に焦点をあてることで、自分の気持ちを少しでも楽にしようとする、自動的な「セルフ認知修正」が、機能しない最悪の状態となります。
そのような状態から脱出するためには、日々のストレスを解消するためのリラックスできる自分時間を確保して、緊張を鎮め、心をリラックスさせる習慣づけをすることが必要です。そのために、集中できる趣味の時間、好きな音楽、好きな映像、読書、そしてお腹で発生する音読など、副交感神経を優位にして自律神経レベルでリラックスできるような自分だけのリラクゼーションの時間を持つ習慣が必要です。
そのリラクゼーションの時間によって、日頃から正しい姿勢を保ち、自然な呼吸で多くの酸素を取り込んで、セロトニン量を増やすことが可能となります。これは、身体機能を回復するリラクゼーション効果を得るための習慣といえます。そのポイントは、①美しい「姿勢」、②正しい「呼吸」、③明瞭な「発声」です。それにより、自然な普通呼吸で、多くの酸素を取り込むことが可能な体質へと改善することで、健康な身体と心と維持することができます。
すべての不安と緊張を解消する「姿勢」「呼吸」「発声」の3つの習慣づけ方法
健康な身体と心を維持するために、3つの身体機能を高める効果的なエクササイズを日々の生活で実践することを習慣とすることで、3つの基本テクニックが身に付き、楽に深い呼吸が無意識で身に付き、多くの酸素を自然に取り込める深い呼吸が楽にできるようになります。
1.美しい姿勢の習慣づけ
悪い姿勢とは
人間は本能的に、不安や緊張のストレス場面では、自分を守るために防御の姿勢を取ります。それは、航空機の不時着時に乗客に求められる姿勢と同様に、猫背や巻き肩状態の前かがみ姿勢となります。そして、常にストレス場面にさらされると、常に前かがみ姿勢が常態化し、胸をはった自信にあふれた姿勢とは対極にある萎縮した下向き姿勢です。その状態は、周囲からその姿を見られると、自信なさげに、何かに悩んで、落ち込んでいるような人として見られ、陰気で暗いオーラに包まれている人のような印象を与えてしまいます。
自分の横向きの立姿を洗面台の鏡に映したり、ショーウインドのガラスに映る自分の姿が、とても陰気な人間のように見えてしまい、びっくりする場合があります。また、常にストレスにさらされている仕事では、会社での自席に座る姿を、横から撮影された映像や写真を見る機会があると、その陰気な前傾姿勢に驚くことがあります。自分の首が前に前傾して胸を抱えるように巻き肩で、キーボードを打つ姿は、苦悩に満ちたオーラを周囲に発している自分自身に驚くことがあります。自分の横から見た立ち姿と座った姿を、スマホのビデオ映像で撮影してチェックすると、自分の姿勢の現状を客観的に把握することができます。
ポジティブな印象を周囲に与えるオーラを発するように、すらりとした美しい立ち姿勢なのか、それとも、ネガティブなオーラを放つ陰気な前傾姿勢なのかをセルフチェックすることができます。自分も驚くような陰気なオーラを放つ状態にぁれば、大至急の姿勢改善への取組が必要です。
改善方法は
リラックスできる自分時間をつくり、背筋を伸ばして、背骨が腰から首までS字カーブを描いて美しい姿勢を獲得した自分をイメージして自分に無理を強いることなく、自分に合った、楽に矯正する法を探しだすことが必要です。そのポイントは、リラックスした状態で、自分がS字カーブの美しい姿勢を獲得している状況をイメージして、うつむき姿勢にならず、まっすぐ前方に視線をやり、胸を張ったイメージの鳩胸を意識して、顎が少し上を向く程度に頭を上げることで首が楽な姿勢となります。そして、身体全体が楽な状態で、立った姿勢、歩く姿勢、座り姿勢など、それぞれの自分の横姿をスマホの動画撮影でチェックしてみてください。
そして、美しい姿勢で自信をもって街中を歩く人と同じような姿勢になることを目指すことができます。さらには、就寝の入眠時や起床時に寝具の中で、仰向け状態で、リラックスしながら、背中を伸ばした状態で猫背が矯正されるイメージで、掌を頭の下にして、肩が拡がるイメージで腕を拡げるなど、身体を美しい姿勢へと矯正できていることをイメージして、ゆっくりと呼吸をして、その呼吸にすべての意識をあわせること(マインドフルネス状態)ができている状態をイメージします。
それにより、美しい姿勢で、深い呼吸が、自然と無理なく、楽にできる状態を獲得できます。ポイントは、自分に合った楽な、姿勢矯正の方法を見つけることで、無理のない美しい姿勢で、リラックスしながら楽に呼吸が深まります。そして、自分の美しい姿勢が周囲に好印象を与えている状態をイメージすることが、効果的な習慣づけとなります。
2.正しい呼吸の習慣づけ
悪い呼吸とは
人間の持つ生体機能として、不安や恐怖の場面に遭遇した場合には、その危険からすぐに逃れることを可能とするために、浅い呼吸で血圧を高めて身体じゅうの筋肉を緊張させる興奮状態となります。それは自動的に交感神経を優位にし、敵から逃走するか、あるいは戦うか、のいづれをも選択できる、俊敏な行動を可能とするために、身体を緊張状態にしてくれます。
それは、自分の身体を危険から守ろうとしている人間が持つ基本機能です。しかし、その不安や恐怖場面に頻繁に遭遇するような、継続的なストレス状態になると、リラックスできる副交感神経を優位にすることができず、常に呼吸が浅い緊張状態が継続してしまいます。それによって、体内に取り込む酸素量が低下し、脳で消費する酸素量が常に少ない状態になります。
改善方法は
リラックスできる自分時間を作り、自然な呼吸を意識して、ゆっくりとした鼻呼吸で、ゆっくりと呼吸をすることです。それは、ゆっくりと息を吸いこみ、そして、吸う時間よりも長く、ゆっくりと時間をかけて息は吐き切ります。自分の美しい姿勢によって、大きくなった自分の肺が、喜んで機能していることをイメージし、その吸い込んだ酸素が、肺から体中の隅々まで、血液によって供給されていることをイメージすることで、リラックスしながら深く呼吸することができるようになります。
そして、その酸素が脳の前頭葉に届けられ、気持ちがリラックスし、心が落ち着き、自分を肯定的に捉える喜びの言葉や、自分を褒める言葉が湧き出ることをイメージし、新たな自分が獲得できていることをイメージしてください。そして、そのリラックスした状態で、自分が確保できる時間帯に、無理することなく、自分の身体の隅々まで酸素が十分に運ばれて、自分の細胞が喜んでいることをイメージしてください。
そして、自分の呼吸しているその状態だけに自分の意識を集中し、その呼吸だけを考えて、「吸うー・吐くー、吸うー・吐くー、・・・・」の繰り返しにだけの自分の状態を観察している自分の状態だけを、意識します。(いま、この状態だけを感じ取ることが、マインドフルネスの状態です)それにより、全てを忘れ、心が落ち着き、余計な事を考えない状態を楽しむことができます。
ポイントは、楽にできる深い呼吸を、自然呼吸ですることです。慣れてきたら、横隔膜による腹式呼吸や、おへその下の丹田による丹田呼吸など、自分に楽にできる深い呼吸方法を探し出し、意識することなく普通の呼吸で多くの酸素を取り込める深い呼吸法を会得した自分イメージして、そのイメージを目指せます。
3.明瞭な発話の習慣づけ
悪い発話とは
不安や緊張する場面に遭遇すると、自動的に交感神経が優位になるため、全身の筋肉が硬直し、身体が心臓と胸を抱え込む前かがみ姿勢となります。人は、ストレスを受けた緊張状態では、お腹に力が入らす、腹から声を出すことができません。また浅い呼吸で肺の空気量が少なくなります。その結果、発話時に声帯を振動させるために肺から送られる空気量が少なく、小さな声の発話となります。さらには、顔の口周り筋肉が緊張していることで、はっきりとした発音が出来ない状態となります。
そのことから、相手には声が届きにくく、低い音程で音量も小さい発話となります。その状態では、その発音も明瞭さに欠けるため、話し言葉自体が聞き取りにくく、相手は聞き返すことが多くなります。その結果、話し言葉と会話内容ともに、明瞭さに欠ける話し方をする人間だとみられます。さらには性格についても、オドオドして、萎縮した自信のない、ネガティブな人間だといという印象を相手に与えてしまいます。
また、声が小さいことで、相手が聞き取れないために、相手から何度も聞き返され、「えー?」、「何て言った?」、という相手の応答が多くなることで、相手が理解してくれない、自分を責めていると誤解してしまいます。そのため、自分の会話場面や対人関係自体に自信をなくすことになります。その結果、自分の意図がスムーズに相手に伝えられないことで、対人関係の構築スキルに自信がなくなり、自己否定の状態に至ってしまうリスクがあります。
さらには、仮に、その人の生活環境が、思いやりのない攻撃的で非常識な人たちが周囲に多い生活環境の場合には、いじめの標的となることが往々にしてあります。その結果、人とのコミュニケーションを極度に避ける傾向が強まったり、場合によっては対人恐怖の状況に至ったりする恐れもあります。
改善方法は
これまでの緊張場面の連続で身に付いたであろう、小さな声による発話を改善する方法は、簡単です。それは、①お腹で声を出す「腹式発声」の習慣づけと、②「音読発話」の習慣づけです。それぞれを確認しましょう。
1.腹式発声の方法
お腹で声をだすことで、遠くまで届く声を出すことができます。口だけで声を出するのではなく、お腹で声を出すということは、お腹で呼吸をすることで、肺に多くの空気を溜めることができて、その空気を絞り出すように吐き出すことで声帯を振動させることが可能で、はっきりと大きな声が出せます。そのエクササイズは下記の通りです。
(1)腹式音声のエクササイズ:お腹に力を入れて、腹から、気合を入れて、小学生の運動会の競技の掛け声のように、「エイー、エイー、オーー」の掛け声を出すことです。自分の部屋で、まずは小さな声でも良いので、声をだして、慣れてくると自然にお腹に力を入れて、声を出せます。毎日、自分に都合のいい時間に声をだすように習慣化し、何度も繰り返し、単にお腹に力を入れて、単純な掛け声を出すことです。そのポイントは無理なく、自然にできることです。
(2)一語くぎり音声のエクササイズ:昔の文楽芝居など、人形芝居などの舞台での発話をまねるように、、お腹に力をいれて、一語一語を区切りながら、発話することです。それにより、遠くにいる相手にも、はっきりと音声伝達できる、聞き取りやすい、はっきりとした明瞭な発音が可能となります。ポイントは、一語づつを区切りながら、お腹に力を入れて、楽に無理なく、自然にできることです。
そして、その練習する読み上げる言葉は、短い文章で、自分の好きな言葉や、お気に入りの座右の銘などを用います。また、恥ずかしらずに、自分を褒める言葉なども最適です。例えば「私は輝いている」、「私は美しい」、「私は成功する」などで、区切り方は、江戸文楽などの「父様」を「トー、トー、サー、マー」の調子で、「ワー、ター、シー、ハー、カー、ガー、ヤー、イー、テー、イー、ルー」のように、一語ごとにお腹に力を入れて、読み上げます。ポイントは自分を褒める言葉に恥ずかしがらず、慣れることです。
2.音読発話の方法
会話相手に自分の状況を理解してもらうためには、相手を引き込む話法が必要です。それを身に付けることはとても簡単です。
昔話の童話や、楽しい詩集、お気に入り漫画の主人公のセリフ、楽しい歌謡曲の歌詞、哲学者や偉人たちの気持ちを楽にしてくれる言葉、などを声をだして音読することです。それは、自分の声を自分で聞くことで、自分の脳機能が活性化します。そして、感情を込めた発声ができることで、相手に考えを伝えることと同時に、言葉の単語の意味を伝えるたけでなく、自分の気持ちの感情面をも、もれなく伝えることができるようになります。
また、自分の声をスマホで録音して、それを聞き返すことで、自分の音質から受ける印象を確認できます。例えば、低く暗い声の場合には、ネガティブな印象を人に与えてしまいます。自分で聞いても陰気な印象になるような落ち込んだ声になっていないかを確認することができます。
それにより、ポジティブで、生き生きとした、抑揚のある感情のこもった声を自分で調整することができます。それは、自分自身がオペラや歌劇の主人公になった気分で、多くの観衆に自己表現しているイメージで、音読します。それにより、相手の気持ちが安らぐ心地よい声による発話方法を獲得することができます。
ポイントは、無理せず、感情を込めた抑揚で、自然と発話できることです。そのために、一日のうちで、時間を決めて習慣化することです。また、ポジティブで思いやりのある音質は、やや高い音程で、その発する言葉の内容を、自分自身が理解し、その言葉に自分が共感していることで、心から相手に伝える発話を獲得できます。さらに、音読する内容は、ネガティブな内容はNGです。楽しい内容、心が温まる笑いのある内容、自分がほっこりする内容など、ポジティブな内容に限定して音読します。
関連情報:マインドフルネス関連ニュース記事(脳をリフレッシュさせる「プチ瞑想」のマインドフルネスで心の健康を維持しましょう)
リラクゼーションケアの優先が認知行動療法や精神分析的療法などのメンタルケア効果を高める
長谷川メンタルヘルスケアセンターでは、セロトニン量不足による脳機能低下を改善するための、①正しい姿勢による深呼吸で身体機能を回復させるリラクゼーションケアを優先します。そして次に必要な、心理カウンセリングの②精神療法による認知行動療法や精神分析的療法でのメンタルケアのサポートという、二段階ステップでのケアサポートを実施しています。それは、心身不調へのケアサポートにおいて、リラクゼーションケアを優先して実施することで、まずは基本的な身体機能を回復していただくことで、第二ステップの、メンタルケア効果を飛躍的に高める効果があることを、これまで実践で実証できています。
クライアントの方々が、日々のストレス場面で、不安、緊張や怒りの感情を抑え込むことなく、うまく受容しながら、適切にコントロールし、悩みや問題解決の新たなスキルを獲得していだくことで、一日も早く安心安全な生活を取り戻せるように、心理カウンセリングを通してお役立ちできることを目指しています。
著者紹介
代表 長谷川 裕通
その他参考文献:
・ストレス脳 著者:アンデッシュ・ハンセン、訳者:久山 葉子、出版:新潮社
・「心の病」の脳科学〈なぜ生じるのか、どうすれば治るのか〉 著者:林 朗子、加藤 忠史 共著、出版:講談社
・睡眠の科学〈なぜ眠るのか、なぜ目覚めるのか〉著者:櫻井 武 出版:講談社