うつ病はストレス疲労による「脳内炎症」が原因のためストレスケアが最優先

大自然のお花畑を眺めてリラックスする女性

統合失調症や双極性障害と異なり、「うつ病」の発症には遺伝性要因は小さく、ストレス疲労が根本原因です

うつ病はストレス疲労による「脳内炎症」が原因のためストレスケアを最優先すべきです。うつ病発症の根本原因は長期疲労によるもので、ストレス環境が生みだす疲労が回復されずに蓄積されて生じる「脳内炎症」がうつ病を引き起こすことが、最新研究で明らかにされました。その結果、慢性的な「病的疲労」といえる倦怠感や疲労感、睡眠不足、気分の落込み、記憶力の低下、興味や感動の消失、などが数か月から数年間にわたり感じる慢性的な疲労状態がうつ病症状です。

お花畑でリラックスする女性

この疲労蓄積による「脳内炎症」を防ぐためには、日々の生活で疲れたと感じた時に、疲労をため込むことなく、すぐに疲労回復を図ることが、健康な体を維持する最優先すべき必須事項です。

関連参考書籍:「疲労とはなにか」ーすべてはウイルスが知っていた- 著者 東京慈恵医科大学ウイルス学講座教授 近藤博一 氏 出版:講談社ブルーブックス

うつ病の症状は、脳内の神経細胞で生じた脳内炎症による病的疲労感によるものです

最近の脳研究では、うつ病の発症機序は解明されつつありますが、その根本的な原因は疲れであり、身体の疲労を回復させるために感じる「生理的疲労感」を無意して、身体を休息・休養することなく、強いストレス状態に曝され続けることで、脳内の神経細胞が正常に機能しない「脳内炎症」を誘発してしまうことが明らかになっています。

仕事ストレスで疲れた女性

その脳内炎症によって、脳内のニューロン細胞による情報伝達が正常に機能しない状態となって、数月から数年にわたって病的疲労が継続されてしまう状態となります。それによって、心身の倦怠感や疲労感が続き、判断・記憶・理解力の低下、気持ちの落込み、などをともなう「うつ病」の症状に至ります。

仕事によるストレスのイメージ

参考引用情報:
東京慈恵会医科大学ニュースリリース(うつ病になりやすい体質が遺伝する仕組みを世界で初めて解明:2024年2月13日

東京慈恵会医科大学 発表論文(ヒトウイルスにおける大うつ病性障害の強力な遺伝的危険因子の同定:2024年3月15日)

東京慈恵会医科大学 研究概要冊子(うつ病の原因遺伝子の発見)

うつ病治療には投薬治療よりも休養と心理カウンセリングが必要です

うつ病治療には、まずは疲労回復を最優先すべきで、初期症状から依存性と副作用のある抗うつ薬や睡眠薬を安易に服用すべきではありません。すべての薬剤には副作用があり、精神治療薬にも副作用があります。抗うつ薬の中には、人によっては、うつ病そのものの症状よりも重い副作用の症状を誘発する恐れがある薬もあります。

休暇をとって疲れを癒す読書のひと時を過ごすイメージ

まずは、すぐに休養をとってストレスケアを図り、その後に、心理カウンセリングで、ストレス原因を探り、ストレスを受けない対人スキルやストレスを蓄積しない生活習慣づけを獲得することが必要です。

多くの脳疾患の発症プロセスは解明されていない

最新研究で、、多くの医学領域をはじめ、科学者が取り組んできた免疫研究、細菌・ウイルス研究、脳神経学の成果として、徐々に身体機能も明らかになり、疾病の発症機序も解明されつつあります。

複雑な脳神経のイメージ

例えば、最近まで脳内の80%を占めるグリア細胞の役割は、脳機能の主役であるニューロン(神経細胞)を支える単なる緩衝材だと思われていましたが、実はニューロンと同様の情報伝達物質による情報伝達機能があり、さらには脳機能を維持する重要な免疫機能や壊れた細胞を貪食する細胞再生の機能など、多くの重要な役割が解明されています。また、これまで謎だった疾病の発症機序も明らかになりつつあり、アルツハイマーなどの神経変異性の脳疾患は徐々に解明され、新たな治療薬が開発され、医療現場で治療薬として投入されています。

新薬の研究開発に従事する女性研究者たち

しかし、脳疾患の発症機序が徐々に解明されてはいるものの、多くの疾患では、どのように発症するのかが解明されていないのが現状です。とくに脳機能には神秘に満ちた多くの謎があり、それぞれの疾患では、脳内のどこの箇所で、どんな物質が、どのように作用して発症するのかという、疾病の発症機序(発症プロセス)が解明されていないのが現状です。

投薬治療は対症療法であり、脳疾患の発症原因を除去することは難しい

精神疾患の投薬治療においても、発症プロセスが解明されていない疾病にたいする従来の投薬治療は、対症療法といえます。従来のうつ病治療薬も、セロトニンなどの脳内神経伝達物質の量を調節することで、代表的なうつ病症状を抑える対症療法としての効果です。

対症療法としての精神薬のタブレット

理想的な投薬治療は、確実に疾病の原因となる領域に作用し、その原因を除去・排除できることが望ましいといえます。しかし、各分野における最新研究が進む中においても、現在のところいまだに、その発症機序が解明できていない原因不明の疾病が多くあり、発症機序が解明されていない多くの疾患にたいする治療薬は対症療法的な位置づけにあるのが現実であり、発症原因を直接的に除去・排除することは難しい現状にあるといえます。

薬の臨床実験レポートのイメージ

脳疾患の治療薬の開発においては、多くの脳疾患の発症機序は解明されていない中で、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬や抗不安薬のように、偶然の発見によって効果が見いだされた治療薬もあります。このことから、人体の神秘に満ちた脳神経が投薬によって、どのような化学反応が起きるのかは、完全に把握できない部分もあり、臨床実験で安全性が確認されます。
しかし、臨床期間ではすべての副作用を把握できるものではなく、発売後に重篤な副作用が明らかになることもあります。

抗うつ薬の副作用には十分な警戒が必要です

精神疾患の投薬治療において、発症プロセスが解明されていない疾病にたいする従来の投薬治療は、対症療法です。とくに従来のSSRIなどの抗うつ薬も、セロトニンなどの脳内神経伝達物質の量を調節することで、気分の落込みなどの代表的な抑うつ症状を抑える、対症療法としての服用であることの認識が必要です。

しかし、対症療法であっても重篤なうつ病症状には、現状ではうつ病治療にたいする投薬治療は有効な治療法のひとつといえます。医師の指示に従って副作用など、下記のような点について、十分に注意しながら服用することが必要です。

薬効がすぐに現れない

抗うつ薬を飲み始めても、薬効はすぐに出現することはなく、例えば、セロトニン再取り込み阻害薬の服用によって脳内神経伝達物質の量が増えたであろう状態になっても、すぐにその気分の落込みのなどの症状に改善がみられず、数週間の服用が必要となります。

熱が下がらず苦しむワンちゃん


なぜ、すぐに薬効がでないのかは、明らかになっていません。また、薬効の出現よりも先に副作用といえる身体症状はすぐに現れることになり、その副作用に耐えることが求められます。

副作用はすぐに現れる

うつ病の初期症状よりも重篤な副作用の出現があります。それは人によっては、本来のうつ病と診断されたと時点の診断基準にある症状以外にも新たな身体症状が増えることになります。

脳内での薬が効くイメージ


当初の診断時点よりも追加・強化される症状として、人によっては、強烈な感情鈍麻、認知力の低下、記憶力の低下など、新たな高次脳機能障害の誘発、突発的な行動誘発、急激な自殺念慮の高まりなどの危険性が高まることになります。

人によっては全く効かない

臨床実験の統計結果では、服用したうつ病患者の約半数から3割には効果が小さい場合や、3割程度の患者には服用効果がまったく現れないといわれています。

症状が改善されないイメージ

発売後に注意勧告がでることもある


臨床実験では出現しなかった重篤な副作用が発売後に明らかになるケースもあり、製薬会社から医療現場にたいして投薬における処方への注意喚起や厚生労働省から注意喚起が出される場合があります。

心理カウンセリングによるストレスケアで「うつ病」を予防しましょう

職場の対人関係や日常生活でトラブルに巻き込まれたり、困った問題が生じた場合には、その悩み事が解決されずに長期化すると、その悩みや心配によって眠れないことや疲労感が抜けない、気分が落ち込むなどなどの長期的なストレス疲労の抑うつ状態に陥り、それが長期化することで「うつ病」の状態となります。
このように、悩みが長期化することで「うつ病」に陥らないために、必要な予防対策は、早期の心理カウンセリングを最優先すべきです。そこでは、あらゆる身近な問題への対処方法を確認することができます。

お花畑を散歩して癒される女性

心理カウンセリングで獲得できるスキル

たとえば、仕事や人間関係でストレスを受けない対処スキル獲得、不安感や緊張感を避ける対処スキル獲得など、いつも自分を守るために必要なスキルを獲得することができます。
そして、ストレスケアのために、自分自身で疲れを癒すことができる、深呼吸による自律神経を整える方法、自己暗示による催眠誘導によるリラクゼーション法、タッピング法など、ご自身にとって最適なストレスケアのための、各種のセルフ・リラクゼーション法のセルフ実施方法を習得できます。

お花畑を散歩して癒される女性

ストレス疲労を長期化させないために早期の心理カウンセリングで問題解決

適度なストレス感は自律神経の交感神経による緊張感を高めることで、脳機能をたかめることで仕事や勉強の効率を高めます。しかし、過度な緊張やストレスが長期間にわたり継続されることで、副交感神経を優位にするリラックス感を得ることができずに、自律神経が乱れ、長期的な病的疲労の状態に陥ることがあります。悩みや困り事を抱えた時には、その対処方法を探し出し、それを実践して、問題解決を図ることが必要です。

広大な大自然のお花畑の眺望で癒される女性

長谷川メンタルへスルケアセンターでは営利目的ではなく、ボランティア活動団体として、心理カウンセリングで、悩み解決とストレスケアのお手伝いをすることで、皆様が笑顔を取り戻していただき、幸せな日々を過ごしていただけるよう、少しでもお役ちできることを目的として活動しています。

長谷川メンタルヘルスケアセンター
代表 長谷川 裕通

参考情報:ケアセンターの紹介

執筆者紹介:代表紹介

出版著書:代表の著書紹介
参考書籍: