ストレスチェック制度による健康な職場づくりは経営者の責務

素晴らしいチームワークを発揮したメンバーたち

働く人が業務中にさらされる職場ストレス問題を放置することは経営者の怠慢です。ストレスチェック制度による健康な職場づくりは経営者の責務です。職場ストレスをうけてしまう従業者本人の性格や業務スキルに問題があるとせず、まずはストレスチェック制度を導入し定期的に従業者が抱えるストレス状況を把握し、従業者のメンタルヘルスに重視した健康経営が経営者に求められています。それは、従業者の明るい笑顔と活力にあふれた職場の雰囲気を作り出し、組織パフォーマンスを高めることに結びつきます。

ストレスチェックのイメージ

職場ストレスは離職率の高さや業績不振に結びつく最重要課題

職場ストレス対策に着手せずに、問題のある職場環境を放置することは、従業者の笑顔をなくし心身を疲弊させることになります。その結果、職場の雰囲気を暗くし、活気のない社員の表情は社員満足度の低下となり、退職社員が増えて離職率の高さに直接的に結びつきます。そして退職者によるブラック企業としてのSNS投稿などで風評被害をうけることで新規採用が困難になる危険性があります。

職場ストレスを抱えたスタッフ

また職場ストレスは心理的過労によるケアレス・ミスを誘発します。その結果、業務品質や製品の品質低下によるトラブル発生に結びつき、そのトラブルのリカバリー対応が急増することで時間外労働を余儀なくされます。そのため長時間勤務の過重労働が常態化し、従業者の健康を害する危険性が高まります。さらには、トラブル発生による問題が顧客にも影響を及ぼすことで、顧客満足度の低下となり、業績悪化に結びつく恐れもあります。

参考情報:職場のメンタルヘルスケア調査結果(厚生労働省サイト)

職場ストレスは本人の問題ではなく職場の問題点

職場ストレスで働く人々が心理的に苦しい状況に陥ることになる主な職場環境の悪化の問題点として、

  1. 大人の発達障害傾向にある攻撃的なメンバーの存在
  2. 職場のハラスメント対策・ルールが未整備
  3. 作業マニュアルが未整備で現場任せ
  4. 過重労働を放置する労務管理の悪さ
  5. メンバーのストレスを把握できないリーダーの問題
  6. ストレスは本人の問題とする経営者の認識不足

などが主な原因です。
経営者は働く人の職場でうけるストレスを常に把握し、従業者のメンタルケアに心がけることが必要です。

カスハラを受けて疲れきったコールセンターの女性スタッフと無関心な周囲のメンバー

1.大人の発達障害傾向にある攻撃的なメンバーの存在

職場ストレスの原因として大きな割合を占めると推察される最大の問題点といえる「人」の問題です。例えば、チームで業務を遂行する場合に癖のある困った人が職場に異動してきた場合などに顕在化することがあります。それは、チームのメンバーの気持ちを察することが出来ずに、常に自分優位で他者を見下すように自分中心の言動を繰り返すなどの傾向が強い自己愛型パーソナリティ症や境界性パーソナリティ症の傾向が強い人や、相手の感情変化を推察することが苦手な大人の神経発達症的な傾向がある人の場合にとくに顕著となります。

声を荒げる営業幹部

そのような困った人は、周囲にストレスをまき散らすことで、直接的に業務上の関わりが少ない他部署の人達は「困った問題児だ」として、関わらないという対策をとるようになります。しかし、問題ある人と常に共同で業務遂行を求められるチームメンバーにとっては、日常的に大きな職場ストレスを抱え、心理的苦痛を与えられることになります。

電話で非常識な叫び声をあげる幹部スタッフ

また、営業部門にみられる体育会系のパワハラ上司などによくあるタイプとして、時代錯誤の自分の成功体験をもとにして、部下指導として日常的に威圧的な言動で接する営業部門のパワハラ上司や、女性スタッフにたいするセクハラ的な関わりをする問題認識のない古いタイプの従業者が存在している場合も職場環境が著しく低下します。

2.職場のハラスメント対策・ルールが未整備

パワハラやセクハラなどのハラスメントへの社会認識が大きく変化しており、旧態依然の認識から早く脱却し、組織としての対応策や防止策を明確することが必要です。それは社会変化や業務変化にあわせて、顧客や取引先からの不当要求のカスタマーハラスメント対策についても、同様に方針・宣言を社内外に公表し、職場の職務規程や就業規則などの標準類を改定し対応することが求められます。

上司の怒鳴り声で大きなストレスを受けたメンバーの苦悩を表す表情

しかし、対策の方針や宣言がなく、社内標準の形で何がパワハラに該当るすのかなど、問題行為の定義づけによる明確化と、その対策や禁止事項が明確にされていない組織では、部下や同僚を苦しめる非常識な問題ある行為が、放置されることになります。

社内のパワハラ防止宣言や、パワハラ禁止が明文化された社内標準の文書類

社内のルールとして対策を明確にし、就業規則や社内標準などにパワハラ・セクハラ対策を明確にし、社内徹底を図ることが職場ストレスを防ぐことに結びつきます。

3.属人的で作業マニュアルがない職場

配属された部署に作業手順書やマニュアル類が整備されていない場合には、業務習得に時間を要することになり、大きな職場ストレスを抱えることになります。
例えば年度はじめの人事異動や職場改編で新たな部署に配属された場合には、その新たな部署の業務を早く覚えることが求められます。しかしその部署における業務標準や作業手順書が整っていない部署では、現場における属人的な作業手順となりがちで、習得に苦労し、大きなストレスを抱えることになります。

社内の標準がないことで、混乱している周囲から助けを求める女性スタッフ

業務標準書という作業手順を整備することは、業務品質を維持する上ではとても重要な基本事項です。それは、新入社員や異動配属者がスピディーに業務を習得できるようにするための大きな手立てとなります。そのことから、手順書を整えることは、職場ストレスを受けない形で、定期的な人事ローテーションを可能とし、誰が担当しても同じ業務品質を維持し、高いパフォーマンスを発揮できる組織とすることができます。

方法1.Teamsなどのナレッジ共有システムで現場主導のノウハウ蓄積

激しい経営環境の変化に対応するために、業務の社内標準化の取組みとして、メンバーが担当する業務ノウハウを社内共有するためのシステム導入は、今後の組織経営における必須事項となります。個々のメンバーによる属人化を防ぎ、メンバーが個人的に発見した新たな業務効率化などを、個人ノウハウとすることなく、社内資産として全社共有することは、チームを活性化し、組織パフォーマンスを高めるために、とても重要です。
一人ひとりの個人アイデアを組織全体のナレッジとして共有する情報共有のシステム化が経営者に求められています。

個人が思いつくノウハウを社内共有するシステムのイメージ

方法2.ISO審査機関の第三者認証で国際標準に準拠した作業マニュアル整備

作業マニュアル類の整備は業務品質を維持し、トラブル発生による問題を未然に防止し、その緊急時対応の手順もマニュアル化することで、迅速なトラブル対処が可能となり、業務成熟度の高い組織づくりが可能となります。経営者は自組織がどの程度の成熟度レベルにあるかを把握することが必要です。そのためのひとつの有効な手段として、自組織の品質管理や労務管理、さらにはセキュリティ管理などが国際標準に準拠していることの証として、第三者認証をうけることです。それは、ISO審査機関の審査をうけて、自社の成熟度を確認し、今後の改善課題を明確にすることができます。

国際標準機構の各種審査基準のイメージ

4.過重労働を放置する労務管理の悪さ

職場ストレスは、業務量の急増による残業時間や休日出勤などによる過重労働が原因となるケースが多くあります。とくに離職率の高い職場では、中堅社員が突然に退職(転職)することで、他のメンバーが退職者の業務をカバーすることによる業務量の急増があります。また、現在は新規採用が難しい経営環境にあり、慢性的な人材不足を抱える組織が多くあります。そのような中で、事業拡大による業務増が想定を超えて急増した場合などには現有人材でカバーすることの限界に直面します。さらには、経営環境の悪化に対応するために、経営効率化の組織改編は人員削減を伴うことで、一人当たりの業務範囲が増えることで過重労働のリスクが高まります。

残業が続く過重労働を放置されている男性スタッフ


このような要因から生じる過重労働を防止するには、業務内容にあわせた最適な人材配分など過重労働の根本問題への対策とあわせて適切な労務管理が必要です。
それには、裁量労働制の対象となる管理職を含めてすべての就労者を対象に、外回り外出先勤務や在宅勤務を含めた勤務時間を確実に管理できる勤怠管理システムの活用が最適です。また、残業時間管理とあわせて残業申請が確実に実施されることでサービス残業などの無申告残業を防止することも、職場ストレスの原因となる過重労働を防ぐための重要ポイントです。

参考情報:過重労働による健康被害を防ぐために必要な対策(厚生労働省)

5.メンバーのストレスを把握できないリーダーの問題

組織を管理する部門責任者やチームリーダーの重要な役割として業務進捗の管理があります。それは、組織全体としての業務テーマの進捗管理は、納期遅れなどの問題を未然に防止するために、トラブル発生の予兆を察知し、早期にその対策をたてるというPDCA(Plan-Do-Check-Action)のサイクルを常に廻すことです。メンバーが業務遂行上の解決が容易でない問題に直面していないか、残業続きで過重労働の状態に陥っていないか、心身が健康な状態でモチベーションを持っているのか、等の観点で従業者の抱えるストレス状況を把握することは、テーマの進捗管理において重要ポイントです。

部下のストレスを認識できない無表情なリーダーと、疲れた部下のスタッフ

そのために、組織の現場管理者やチームリーダーは常に、メンバーと双方向のコミュニケーションをとりながら業務を遂行することが必要となります。とくにソフト開発の現場では、在宅でのリモート勤務が増えていることもあり、常にオンライン・コミュニケーションが可能なシステムを稼働させながら業務を遂行し、お互いに疑問点があれば、同じフロアで業務をするかのように、声を掛け合えるツールを活用する組織が多くあります。

業務上の問題に直面してしまい一人で悩む女性スタッフ

しかし、メンバー個々が抱える職場ストレスの状況を適切に把握できないコミュニケーションスキルが不足するリーダーの場合は、問題に直面して職場ストレスを抱えるメンバーを把握できない状態となり、業務テーマの進捗に影響をおよぼす心身不調を見逃す恐れがあります。
チームリーダーには業務スキルの能力と共に、メンバーへの思いやりや気遣いのできる人間性の資質、そしてメンバーとの密なコミュニケーション能力が必要です。それによって、常にメンバー個々が抱えるストレス状況を把握することは、人としての他者への思いやりであり温かな気遣いでもあり、必要とされるチームリーダーの人間的資質です。

6.ストレスは本人の問題とする経営者の認識不足

ストレスを抱えることは本人のストレス耐性が低いことや、本人がもつ性格の弱さに問題があるとする周囲の考えは非常に危険です。顧客からの不当な要求は、本人の顧客対応スキルが低いことが問題だという経営者もいます。さらには、定期的な人事ローテーションで配属された部署での業務習得に時間を要するのは「本人の問題なので、そのうちに慣れるだろう」とする経営者の認識不足こそが大きな問題点です。

ストレスは本人の問題だとする経営者が女性スタッフを責めたてる場面

経営者は、すべての働く人にたいして、高い業務モチベーションをもって前向きに仕事に励むことができる快適な職場環境を提供する必要があります。職場ストレスを受けることは本人に問題があるとする経営者は、安全配慮義務が果たされていない、という指摘をうける恐れがあります。
経営者は職場ストレスを受ける本人に問題がるとすることなく、職場の問題点を深堀りし、その根源を探し出して一つひとつを排除する継続的な改善活動によって、誰もが働きやすい職場環境を整えることが求められています。

職場ストレスは職場を暗くし労災申請を急増させる

職場ストレスが蔓延している職場では、雰囲気が暗く従業者に笑顔がなくなり、活気のない職場環境となります。
とくに、強いストレスを抱えた従業者が多い場合には、自分の業務遂行が精一杯となり、他のメンバーの状況を気遣う余裕がないため、活発なコミュニケーションがなくなります。また常にストレスを抱えた状態でイライラ感が強く、些細なことで声を荒げる言動で腹を立ててしまうことや、陰で悪口を言い合う誹謗中傷の言動も増えるなど、道徳・倫理観の低下による職場モラル悪化に結びつき、職場のメンバーを信頼することができないことで、職場の人間関係が希薄となり、職場におけるチームとしてのパフォーマンスに悪影響を与える危険性があります。

組織としてのケアサポートもなく、チームワークの信頼もなく、個人業務に苦労する暗い職場の業務風景

このような問題点を放置することは、職場管理者や経営責任者の責務として、果たすべき就業者への安全配慮義務が不足しているといえます。それは従業者が抱える職場ストレスを生み出す根源にある問題点が放置されている状態といえます。

職場ストレスの結果、精神疾患に至ってしまったことで、労災申請される件数が年々増加しており、過去最高となっています。このことから、多くの職場では、従業者が職場ストレスによる心理的な負担感が過剰な状況となって、精神疾患を発症してしまい休職を繰り返すことや、長期的休職に追いやられ経済的に苦しい状況に至るケースが多くあります。

職場ストレスで休職となり、労災申請をするイメージ

参考情報:労働災害申請の件数推移(厚労省ホームページ)

職場ストレスはあなたが原因ではありません

温厚で優しさと思いやりにあふれた人は、周囲からの非常識な関わりや攻撃を受けるターゲットになりやすい傾向があります。例えば、常にイヤミ言葉で部下を傷つける非常識な言動を繰り返す上司や先輩からパワハラ的な関わりを日常的に受けていても、失礼な言動だとして相手に抗議することをしません。むしろ、「相手が悪いのではなく、自分の業務スキルに問題があるから、指導してくれているのだ。」と受け止めてしまうケースが多くあります。

自分が悪いからストレスを受けると考える疲れた男性スタッフ

その結果、誰かに現状を相談するということなく、「自分の業務スキルを高める必要がある。この職場ストレスを乗り越えなければならない。」という間違った認識で自分を責め続けます。そのため、周囲の同僚や人事部門に相談することなく孤立化してしまい、さらに大きなストレスをため込みます。パワハラ的な関わりをする非常識な相手が職場ストレスの根源であるにもかかわらず、自分自身を責め続けることで、心身疲労ストレスが蓄積され、不眠や神経症などで抑うつ状態が続くことで、うつ病などの精神疾患を発症する危険性が高くなります。

仕事ができなくなるほどのすトレスを受けてしまった女性スタッフの姿

参考情報:職場のメンタルヘルスケア(職場ストレスにおける人間関係の悩み対策)

従業者をカスハラ被害から守る組織のしくみ

最近の顧客接点の現場でのカスタマーハラスメントが問題視され、東京都をはじめカスタマーハラスメント対策が多くの自治体で宣言されています。それにより、多くの組織ではその対策として、対策ポリシーを明確にし、内外に公表周知するなどの対応が急務となっています。とくに、取引先や顧客などからの問い合わせを受けるカスタマー部門の問合せ窓口やコールセンターなどの接客部門、スーパーやコンビニなどの小売部門などの顧客接点では、顧客からの不当な要求を突き付けられたり、問題のある威圧的な言動で従業者が大きなストレス被害をうけるケースが増えています。

顧客からの不当要求に謝罪するコールセンターのスタッフ

そのような顧客からの不当要求によるカスタマーハラスメントから、従業者のストレス被害を防ぐために、不当要求の事例を具体的に明示し、そのような要求にたいして組織としての対応方針を内外に公開し、対応のための業務マニュアルを明確にすることが組織管理者や経営者に強く求められています。
顧客接点の従業者がうける顧客からのカスタマーハラスメント対策が不明確な場合は、現場まかせの対応となるため、担当者による個人的な対処となることで、そのストレスは非常に大きくなります。場合によっては、長期的なトラウマ場面として精神的に焼き付く事で、簡単にはケアできないPTSD的な長期ケアを要することになり、休職に追い込まれてしまう危険性もあります。

組織でカスハラへの方針が明確に示されたことで、明るい表情となったコールセンタースタッフ

経営者の責務として従業者が安心安全に業務が遂行できるように、心理的なケアの心理カウンセリングの社内制度導入や、社内方針としてのカスハラ対策方針やカスハラ対処業務標準を明確にすることが安全配慮義務として急務な時代となっています。

快適な職場づくりはストレスチェックから始まる

本来は 経営者の責務として、従業者が高いモチベーションを持って健康的に就業できるように、心理的安全性の高い職場環境(人・システム・ルール・物理的など)を継続的に改善することによって、従業者が健康的で自由に快活な意見を積極的に発信し、やりがいを持って働ける職場環境づくりが経営者に求められています。

厚労省ストレスチェック制度を実施することでメンタルケアの第一歩となるイメージ

そのための具体的な施策として、定期的な従業者への厚労省ストレスチェック制度を実施して、従業者が抱える職場ストレス状況を把握し、心身不調の未然防止の取組みが求められます。また、仕事で抱える心理的な不調に早期に気づき、抱えたストレスへのケアが気軽に可能となる心理カウンセリングを常に受けられる従業者心理カウンセリング制度を導入などが求めれ羅れます。

従業者メンタルケアの心理カウンセリングを受けて気持ちが晴れ晴れとした女性スタッフ

また、従業者へのメンタルヘルスケアの職場セミナー開催や、従業者一人ひとりが周囲にストレスをかけない対人コミュニケーション・スキルの自己啓発セミナー開催、e-ラーニングによるオンラインでの啓発活動などの取組が求められます。

パワハラ防止の職場啓発セミナーを受けるスタッフたちの姿

職場の心理的安全性が高いパフォーマンスを発揮する

職場の心理的安全性が重視されています。それは、働く人が自分のスキルをフルに発揮して、チームのパフォーマンスを高めるための意見を自由に発表できる心理的安全性の高い職場環境づくりが必要です。組織改善に有効なポジティブな意見を全て否定したり、稚拙だ・無理だなど、という形で周囲が否定したり、攻撃するなどによって、組織を良くしようとする改善・改革のモチベーションを抑え込むことがあってはなりません。

心理的安全性の高い職場で、快活な表情のスタッフたち

自分の提案意見にたいして、ミーティングで反対意見で攻撃されることが多い職場では、攻撃させることを恐れて、改善のためのポジティブな意見や革新的なアイデアが出されることがなくなります。チームミーティングは上位方針の周知の場ではなく、チームメンバー相互に新たなアイデアを出し合える場とすることで、どのような発言であってもチームで否定されることなく自由に提案できる場となります。そのためには、自分が発言しても否定されれることなく常に受け入れてくれるという職場環境づくりが快活な従業者のモチベーションを高めることになります。

お互いに信頼できるメンバーとの職場で高いモチベーションで大きな成果を獲得したチームの喜ぶ姿

現在の社会環境の変化が大きい国際情勢の中で、組織がこれからの不確実な社会変化を乗り越えるために、すべてのメンバーがアイデアを出し合い、時には突拍子もないアイデアが問題の打開策となることもあります。そのためには、組織のメンバーとして、一人ひとりが、意識して他のメンバーを信頼し、尊重し、認めあうことができる職場の雰囲気をメンバー全員で意識して創り上げることが重要です。それにより、メンバー全員が「自分はチームメンバーとして認められている。些細なことでも組織の役に立つことは、どんなことでも安心して提案できる」という心理的な安心感を得ることができる職場環境づくりが、職場のチームリーダーや経営者に求められていいます。

高いモチベーションで仕事の成果を得られた喜びを分かち合うメンバーたち

参考情報:職場の心理的安全性について(長谷川メンタルヘルスケアセンター)

思いやり・共感・多様性を尊重するコミュニケーションが組織を伸ばす

お互いに、思いやり、共感し、尊重できるチームメンバーたちの生き生きした表情

一人ひとりが相手を思いやり、相手の状況に共感し、相手を尊重し、相手の多様性を認める言動と心掛けに基づく職場のコミュニケーションが必要です。
例えば、言葉を荒げる非常識な相手を威喝するパワハラ的な怒鳴り声による業務指示、相手の人間性を無視するような仲間外れににするような行為、相手の嫌がる感情や気持ちを理解しないセクハラ言動や行為、それらの言動や行為は、すべての従業者がもつ個人の尊厳を無視しています。

明るい職場の雰囲気で笑顔あふれるスタッフ達の姿

チームリーダはもちろん組織管理者や経営者は、どのような言葉や行為がパワハラ、セクハラに該当するのかを具体的に定義づけをした就業規則や社内規程で明文化し、組織内に周知することが求められます。そして、すべての従業者にたいしてお互いに「思いやり」を持って接し、相手の状況に「共感」し、相手の「多様性」と「尊厳」を認め合い、「尊重し合う」組織環境としての職場の雰囲気・職場の空気を創り出すことが求められています。

執筆者紹介

長谷川メンタルヘルスケアセンター(運営法人:一般社団法人メンタルケアサポート会の紹介

代表:長谷川 裕通󠄁