■外出できないパニック障害

close up photo of shocked woman

パニック障害は突然の過呼吸、理由もなく動悸やめまい、発汗、息苦しさ、吐き気、手足の震えなどのパニック発作を起こし、自分ではコントロールできないほどの恐怖を感じる精神疾患です。移動中の電車やバスの車内で発作が起きた経験があると、同様の事が起きると頭で考えただけで、胸がドキドキするなどの状況なり、満員電車など閉鎖的な状態に身を置くこと自体が難しくなります。その結果、混雑時の通勤が難しくなったり、さらには自宅から外出することができなくなったりすることもあります。

people woman sitting technology

そのような状況に至った場合には、まず最初に内科や脳神経科の医師による診察が必要です。現在の日常生活やお仕事の状況、過去のイベント体験や生育歴や病歴の確認、性格的な特徴などの問診、および内科的な脳波測定や画像診断によって脳神経学的な異常や心臓などの循環器系の異常の有無を検査することが必要です。その上で発作が起きた時に服用するお薬や未然に発作を防ぐためのお薬を処方されることもあります。

■精神分析的な深層心理アセスメントによる原因探求

photo of patient looking to the doctor

医師の所見で、内科的にも脳神経的にも身体の異常が認めらない場合には、心理学的な見地からその原因探査と考察がによる心理アセスメントが必要になります。過去の出来事や体験を幼少期の頃からの記憶をたどって丹念なインタビューで、精神分析的な手法でクライアントの心のからくりを突き止めることを目指します。

医師の所見で、内科的にも脳神経的にも身体の異常が認めらない場合には、心理学的な見地からその原因探査と考察がによる心理アセスメントが必要になります。過去の出来事や体験を幼少期の頃からの記憶をたどって丹念なインタビューで、精神分析的な手法でクライアントの心のからくりを突き止めることを目指します。しかし、一般的には、本人にもそれを自覚できていない場合が多いため、心理アセスメントで無意識レベルでの日常生活における行動傾向や、その人の持つ人格特性をベースに深層心理面で、何かにたいする拒絶反応なのか、単なる予期不安やある種の恐怖なのか、を探し出します。そこでは表層的な認識だけでなく絡みあった複雑な深層心理面での探求が必要となります。

a worker supporting an injured co worker

それは、本人が認識している過去の出来事が、さらにその出来事よりも過去の自分でも忘れていた幼少期の記憶を呼び覚ましたことで、今まで深い無意識レベルに追いやっていた幼少期の忌まわしい出来事の記憶が、身体的な発作症状となって、現れてくることもあります。

例えば、幼少期に受けてしまった忌まわしい身体的な非常識な体験があると、それに近い出来事に通勤途中に遭遇した場合には、その場を離れたいが離れられない状況に追いやられると、不安が急激に高まることがあります。また一般的な腹痛や立ち眩みなどで、身体的に非常に苦しい状況に陥った場合にも過去のトラウマ体験がよみがえることがあります。

people walking on train station

それは、過去に自分を守るために認識記憶レベルでは無意識領域に追いやった出来事記憶なので頭では忘れてはいるけれど、トラウマ的な過去の皮膚感覚や痛み感覚は、身体感覚としてよみがえることがあります。身体感覚がよみがえることで、同じ忌まわしい体験を回避しようとして、無意識レベルで自分自身を守ってくれているといえます。この場合には、根源となっている過去の事件事故、忌まわしいトラウマ的なケアが必要となります。

■パニック障害へのケアサポート

woman looking up smiling

心理カウンセリングで対応できる領域として、その第一ステップは、内科的に異常が認めらない場合には心理的な無意識レベルでの力動によることが考えられますので、まずは、パニック発作が起きた時の対処方法として、自分を落ち着かせるための呼吸方法、自分に言い聞かせるための言葉がけ方法や発作自体に対する受けとめ方を変化させる認知修正的なトレーニングで、日常生活に困らない状態にすることが最優先課題となります。

そして、第二ステップとしては、自己催眠による安らぎのイメージを自分自身にインストールするための、セルフセラピーを伝授します。それにより、いつでも安心と安全な自分自身をイメージできるテクニックを獲得していただきます。すべての不安感や緊張感を自分自身が過剰に反応することを抑制コントロールするできるよう目指していただきます。そもそも、不安感や緊張は、自分自身を外敵やアクシデントから、本能的に守るための生態的なアラート警報システムと言えますが、過剰に反応することなく適度に反応するように、そのシステムの感度調整をポジティブイメージを利用して行うケアといえます。

woman spreading both her arms

次に、心理カウンセリングでの聞き取りインタビューの結果から、生育歴や過去イベントがパニック発作のきっかけとなった恐怖体験や不安の源といえるトラウマとなって引き起こされているPTSD的な症状であることが明白である場合には、そのトラウマケアを進めることが心理カウンセリングによるケアの方向性となります。