不眠症ケアの専門家コンセンサス
不眠症におけるベンゾジアゼピン系睡眠薬の代替選択と非薬物療法
琉球大学の高江洲和義氏ら研究者の論文(Frontiers in Psychiatry誌2023年5月9日号の研究報告)によると、不眠症にたいする専門家のケア・コンセンサスとして、調査の結果、下記の回答が有意であったことが報告されています。
- 投薬治療の第1選択は、入眠障害にレンボレキサント、中途覚醒にレンボレキサントおよびスボレキサント
- 非薬物療法は、入眠障害および中途覚醒ともに、睡眠衛生教育が第1選択、多要素認知行動療法が第2選択
- ベンゾジアゼピン系睡眠薬の減量または中止における代替選択ではレンボレキサントおよびスボレキサントが第1選択
「睡眠障害の治療に関して、臨床状況に応じた薬物療法と非薬物療法の使い分け」および「ベンゾジアゼピン系睡眠薬の減量または中止に対する代替選択となる薬物療法および非薬物療法」の二つの睡眠障害の治療に関する臨床的疑問にたいする専門家の意見を調査評価した結果、下記の結果のコンセンサスが有意だったとのこと。CareNet 2023年6月20日リリース記事より)
・主な薬物療法の第1選択では、入眠障害に対するレンボレキサント(7.3±2.0)、中途覚醒に対するレンボレキサント(7.3±1.8)およびスボレキサント(6.8±1.8)が推奨された。
・主な非薬物療法では、睡眠衛生教育が入眠障害(8.4±1.1)および中途覚醒(8.1±1.5)の第1選択、多要素認知行動療法が入眠障害(5.6±2.3)および中途覚醒(5.7±2.4)の第2選択として推奨された。
・他剤切り替えによるベンゾジアゼピン系睡眠薬の減量または中止では、レンボレキサント(7.5±1.8)およびスボレキサント(6.9±1.9)が第1選択として推奨された。