2024年頭挨拶:「思いやり」と「共感性」と「多様性」で平和な世界に! 

大切にしたい今年の言葉は「思いやり」「共感性」「多様性」の三つです

新年あけましておめでとうございます。
今年は、世界中に平和が訪れ、すべての人々が幸せに暮らせる平穏な一年となることを心から祈ります。

これまでの歴史で、人類は多くの悲惨な出来事を体験し、人間の尊厳と命を守ることの大切さ、平和の重要さを学んできたにもかかわらす、今も戦いが続いています。この日本の歴史には、江戸時代という、海外諸国にも類のないほど、260年にもわたり、大きな戦いをすることもなく平和を維持できた時代があります。いま世界中の紛争を止めて、平和な社会を創りだすために、何が必要なのかを考えさせられます。
今年の初詣は、家族の無病息災と、あわせて「戦争のない平和な世界」を、祈願する人が多いかと思います。

Sympathy・Empathy・Diversity の3つのキーワードが世界平和を導く

 年頭にあたり、長谷川メンタルヘルスケアセンターでは、世界中の人々が困難な状況を乗り越え、幸せな未来に向かうために、今年の重要なキーワードとして、Sympathy(思いやり)Empathy(共感性)Diversity(多様性) の3つを掲げ、「2024年の言葉」としています。
この3つの言葉が、人間の尊厳を守り、尊い人命を守り、戦争のない平和な世界に導いてくれるものと確信しています。
そして、私たちのボランティア活動においても、この言葉の大切さを日々認識し、相手の立場に立って考え、相手の気持ちに寄り添い、サポートが必要な方々へのカウンセリングで、少しでもお役に立てることを目指します。

Sympathy(思いやり・同情)
他人の好ましくない状況に、同情し思いやりの心をもって、支援する能力。

Empathy(共感性)
他人の状況や感情を読み取って共有し、効果的かつ適切な方法で対応する能力。

Diversity(多様性)
人種・性別・宗教・価値観など、さまざまに異なる属性を持った人々が、組織や集団において共存している状態。

多様な人を尊重して平和の実現を目指す
World Peace by Sympathy・Empathy・Diversity

WHOが世界各地の紛争にたいして即時停戦を呼びかけています

 世界各地で勃発している紛争で、悲惨な状況が続いています。ウクライナへのロシアの侵攻をはじめ、戦争と武力による敵対行為は、イスラエル、スーダン、エチオピア、ミャンマーなど、世界中の多くの場所で紛争が止まりません。
10月7日のハマスによるイスラエルへの攻撃では、約1300人が死亡し、200人以上が人質に取られ暴力や虐待の報告があります。また、イスラエルによるガザ地区への壊滅的な報復攻撃は、20,000人以上(主に女性と子供)が死亡し、53,000人以上が負傷したとメディアが伝えています。また、世界保健機関(WHO)は、病院や医療従事者は繰り返し攻撃を受けており、12月22日現在、ガザ地区の36の医療施設のうち、部分的に機能しているのはわずか9施設で、北部で最も基本的なサービスを提供しているのは、たった4施設のみだと伝えており、WHOは、即時停戦を改めて強く呼びかけています。

戦場の救急医療現場
by WHO Media News

 ガザ地区での状況について、世界保健機関(WHO)を含む統合食料安全保障段階分類(IPC)のグローバル・パートナーシップは、発表された新たな推計で、ガザ地区は「壊滅的なレベルの食料不安」に直面しており、飢饉のリスクは「日々高まっている」と述べています。ガザ地区では、190万人以上が家を追われ、そのうち140万人以上が過密状態の避難所で生活しています。この状況は、感染症が急増しています。現在のガザでは、平均して4,500人に1人、220人に1つのトイレしかなく、感染症が蔓延していると伝えています。

戦争の避難民
by WHO Media News

 ガザでは感染症の感染率が急上昇しており、10月中旬以降、10万人以上の下痢が報告されています。その半数は5歳未満の幼児で、感染者数は紛争前の報告の25倍に上り、上気道感染症の症例は150,000件を超え、髄膜炎、皮膚の発疹、疥癬、水痘などの多数の症例が報告されています。また、黄疸の兆候を示す人が多いため、肝炎も疑われています。ガザの人々は、空爆による街の破壊命の危機に加え、今や飢餓や、機能している医療制度であれば容易に治療できる病気による死の三重苦の悲惨な状況に直面しており、WHOは、即時の人道的停戦を改めて呼びかけています。

参考引用情報
WHOニュースメディア:ガザ地区では戦禍と飢餓と病気による三重苦の現状(2023年12月21日リリース)

誰一人取り残さないために、思いやりの心で、戦争のないインクルーシブ社会を目指すSDG s

 SDGsは持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)であり、現在の紛争状態にある国々も含め、世界中の国が批准し、多くの企業組織などでSDGs活動を表明しています。これは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載され、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
 このSDGsの目指すターゲットは、全ての人の「人間の尊厳」を尊重し、世界中の人々が健康で暮らせる戦争のない平和な社会を目指すことが明記されています。さらに、その目標とする具体的な目標には、貧困や飢餓をなくす行動目標、ハンディキャップを持った人達を包み込んで普通に暮らせる社会目標、などがあります。
 その目標達成にむけて、私たち一人ひとりに求められる心掛けや活動は、身近な人への、他者への思いやり他者への共感性、そして多様性の尊重です。そのために、身近な家族、職場での仲間、地域社会のご近所学校の友だちなど、まずは親しい身近な人とのコミュニケーションにおいて思いやりのある行動が求められます。

by JAPAN SDGs Action Platform

参考情報:SDGs情報:外務省ホームページSDGs Action Platform

 人とのコミュニケーションにおける大切なスキルとして、相手にたいして「思いやり(sympathy)」の心で接し、相手の立場にたって、相手の考えと気持ちを察して、相手に共感する「共感性(empathy)」で接して、相手の持つ人間の尊厳を守り、相手を尊重し、相手の個性をパーソナリティの「多様性」と認識し、相手を排斥することなく、相手を包み込み受け入れ、相手を支援しサポートることが重要です。これは相手が持つ、能力の違い・身体特徴の違い・人格の違いなどの多様性を、すべて包み込むインクルーシブ社会を実現することに結びつきます。

ethnic kids and adults walking on dirty road

 
 同様に、世界中で起きている紛争を止めて、平和な社会を実現するために必要なことは、戦禍で傷つく人々を気遣い「思いやる(Sympathy)」心で、悲しみ苦しむ人々の気持ちに寄り添う「共感性(Empathy)」を持って手を差し伸べてサポートし、すべての国家・民族・宗教の「多様性(Diversity)」を認め合う行動が、戦争のない平和実現に結びつくと確信しています。
一日も早く停戦を実現することで、すべての人々が平和な暮らしを取り戻せることを、心から祈っています。

世界は一つ


2024年令和6年 元旦
長谷川メンタルヘルスケアセンター
代表 長谷川 裕通

長谷川メンタルヘルスケアセンターの紹介
代表:長谷川裕通のプロフィール紹介