10月10日は「世界メンタルヘルスデー」です

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「世界メンタルヘルスデー」はメンタルヘルスにたいする社会的認識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的としています

メンタルヘルスは普遍的な人権です

 世界精神保健連盟(World Federation for Mental Health:本部オランダ)は、1992年より、メンタルヘルス(精神的健康)への理解促進、偏見排除、そして正しい知識を普及することを目的として、毎年10月10日を「世界メンタルヘルスデー」(World Mental Health Day: WMHD)と定めました。

 「すべての人の幸福を大切にする世界を育む」というビジョンを持って、必要不可欠で普遍的な人権としての「メンタルヘルスの重要性」にたいする認識を高める活動を呼びかけています。

参考引用サイト:World Mental Health Day:世界精神保健連盟(WFMH)
       :世界メンタルヘルスデーとは:WFMHによるYouToub :about the ”World Mental Health Day” 

WMHD_by_WFMH

全ての人に最高水準のメンタルヘルスを受ける権利があります

WHOでは、「世界メンタルヘルスデー」について、以下のメッセージを発信しています。

『メンタルヘルスはすべての人にとって基本的人権です。誰もが、誰であれ、どこにいても、達成可能な最高水準のメンタルヘルスを受ける権利があります。これには、メンタルヘルスのリスクから保護される権利、利用可能で、アクセス可能で、受け入れられ、質の高いケアを受ける権利、およびコミュニティへの自由、独立、包摂の権利が含まれます。
 良好なメンタルヘルスは、私たちの全体的な健康と幸福に不可欠です。しかし、世界の8人に1人がメンタルヘルスに問題のある状態で生活しており、身体的健康、幸福、他者とのつながり方、生計などに問題や影響を与える可能性があります。メンタルヘルスの問題は、ますます多くの青年や若者にも影響を及ぼしています。
 メンタルヘルスに問題があることが理由で、人権が奪われたり、健康をあきらめることがあってはなりません。しかし、世界中には、メンタルヘルスに問題がある状態で生活を余儀なくされている人々がいて、さまざまな人権侵害を経験しています。多くの人々が地域社会の生活から排除され、差別されています。また、多くの人々が必要なメンタルヘルスケアを受けることができない状態にあります。』

参考引用サイト:WHO 世界メンタルヘルスデー

WHO_WMHD

 
 世界には、地域紛争や自然災害などに遭遇し、生命の危機を伴う地域から、飢餓と戦いながら生死をさまよい、心の傷を抱えて逃れた避難民や移民の人たち、さらには臓器移植の人身売買の誘拐などの犯罪現場から救出された子ども達、薬物中毒を伴う児童労働や児童虐待で心に大きな傷を抱えながらも生き抜いてきた子ども達、彼らは往々にして大きなPTSD的な精神症状を呈しながらも、適切なメンタルヘルスケアのサポートを受けることが出来ないサバイバーたちが多く存在しています。
 日本においてもSNSイジメや学校イジメなどの集団虐待のターゲットになってしまった、心優しい子ども達がいます。そのような子ども達の傷つけられた心を癒し、自信回復させ、自分の将来を前向きに歩めるように、適切にサポートしケアするためのメンタルヘルスケアが必要です。しかし適切なメンタルヘルスケアのサポートを受けることができない経済的に苦しい家庭の子ども達もいます。誰でもが適切なメンタルヘルスケアを、いつでも容易に受けられるメンタルヘルス社会を実現することが求められています。

日本におけるメンタルヘルス課題:「予防的」な心理療法の充実へ


 日本におけるメンタルヘルス社会実現への課題として、公的機関のスポット相談窓口の充実とあわせて、今後は心理カウンセリングルームが予防的メンタルヘルスの医療的ケアの社会的な中心機能として公的に認定される必要があります。メンタルヘルス先進国の欧米諸国と同様に、心理カウンセリングルームによるメンタルヘルス行為が医療保険適用の対象とされ、安価で誰でもが高度な専門的心理カウンセリングを容易に受けられるメンタルヘルス社会が実現することが期待されています。それにより、現状の精神疾患への事後的な投薬中心の治療から、予防的な心理療法へとシフトすることが可能となり、日本における医療費抑制への課題解決の第一歩となることも同時に実現すると考えられています。日本においては、薬価も高額で副作用の危険性リスクもある複数種類の服薬を同時に処方される「多剤投与」の投薬治療中心の「事後的」な治療現状があり、医療費の拡大要因との声もあります。それにたいして、医療費抑制にも効果のある軽度な精神疾患における「予防的」な精神療法によるメンタルヘルス・ケアを第一治療選択肢とすることへのパラダイムシフトが、欧米のメンタルヘルス先進国と同様に、日本国内にも広がりを見せることを心から願っています。

長谷川メンタルヘルスケアセンター参考情報:メンタルヘルス領域紹介
長谷川メンタルヘルスケアセンター代表者の出版書籍:読んで楽になるカウンセリング本シリーズ一覧

ひとりで悩まずに相談してください

 周囲から虐待をうけたり、学校やSNSでイジメを受けたりしたら、一人で悩まないでください。あなたをサポートしてくれる多くの味方がいます。すぐに電話やSNSで相談してください。あなたをサポートするために、公的機関やNPOなどが活動しています。
 あなたに攻撃的に関わる人が間違っています。心が優しく温かな性格のあなたのような、人間性の高い人は往々にしてイジメのターゲットになることが多いものです。あなたは間違っていません。自信を持ってください。今のあなたのままで大丈夫です。そして、あなたをサポートする窓口に、まずは相談してみてください。必ず、あなたをサポートしてくれます。

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厚生労働省サイト:相談窓口の機関紹介

参考URL厚労省のサイト 電話相談の機関紹介先:
参考URL厚労省のサイト SNS相談の機関紹介先:

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